福祉住環境コーディネーター資格とは、東京商工会議所が主催している資格試験で、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。
福祉住環境コーディネーターは、医療・福祉・建築について幅広い知識を身につけ、各種の専門職と連携をとりながらクライアントに適切な住宅改修プランを提示するのが主な仕事です。
また福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスします。
超高齢化社会に突入した現在、社会的ニーズが高まっている資格です。
試験はどんな内容?
公式テキストからの出題が
大部分を占めます
3級試験の内容
[学科試験]
出題内容:
1.少子高齢社会と共生社会への道
2.福祉住環境整備の重要性・必要性
3.在宅生活の維持とケアサービス
4.高齢者の健康と自立
5.障害者が生活の不自由を克服する道
6.生活を支えるさまざまな用具 など
2級試験の内容
[学科試験]
出題内容:
1.高齢者・障害者を取り巻く社会状況と住環境
2.福祉住環境コーディネーターの役割と機能
3.障害のとらえ方
4.リハビリテーションと自立支援
5.高齢者・障害者の心身の特性
6.在宅介護での自立支援のあり方 など
1級試験の内容
[学科試験]
出題内容:
マークシート式問題
1.これから社会に求められる福祉住環境整備
2.地域で支える高齢者ケア
3.地域で支える障害者ケア
4.高齢者住宅・施設の種類と機能
5.福祉住環境のコーディネートの実際 など
記述式問題
審査基準:
実務能力(課題に対する提案力)などの
実践力、応用力、総合的判断力を問います
3級、2級は2時間のマークシート式の筆記試験になります。
公式テキストに該当する知識と、それを理解した上での応用力が問われる試験内容となっています。
1級は前半と後半に分かれています。
前半の2時間はマークシート式の試験です。3級、2級の範囲に加え、1級の公式テキストに該当する知識の理解力が問われます。
後半の2時間の記述試験では、実際の業務を行う上で欠かせない知識の応用力が必要とされます。
福祉住環境コーディネーター試験の概要
【試験日程】
3級・2級試験:7月・12月の年2回
1級試験:11月の年1回
【試験科目】
3級・2級試験:学科試験
※マークシート式
1級試験:学科試験
※マークシート式・記述式
【受験資格】
3級・2級試験:年齢・性別・学歴・職業
経験は不問
1級試験:2級試験合格者
【試験会場】
全国各地
難易度は どのくらい?
合格するためには
計画的な勉強が必要
2019年に行われた第42回試験・第43回試験の合格率の年度合計は、1級が13.8%、2級が37.7%、3級が58.0%となっています。
2級、3級は受験資格が不問のため敷居は高くないですが、3級でも合格率は約60%を下回っており、合格するためには計画的に勉強を進める必要がありそうです。
過去問題集や公式テキストをやりこみ、予想模擬問題やテキストの欄外に書いてあるところまで、しっかりと頭に入れて試験に臨みましょう。
福祉住環境コーディネーターの将来性
活躍できる業界は広く
需要は拡大しています
福祉住環境コーディネーターは、まだ認知度は低いですがこれから需要が増えると予想されている資格です。活躍できる場は、介護福祉業界・建築業界・不動産業界・医療業界など多岐にわたります。
福祉住環境コーディネーターの主な仕事内容は、高齢者や障がい者が生活する自宅や生活用品を、より使いやすくするためのアドバイスです。
たとえば、段差の解消を提案、手すりの設置を提案、車いすの使用方法を教える、介護ベッドの使用法を教えるなど住まいのコーディネートをおこなうのがメインの役割となります。
現在、比較的余裕のある世代の方々が社会的には一線を退き第二の人生を歩み始めています。
その中で、生活を充実させることに目を向ける方も少なくは有りません。
当然、それに伴い大なり小なりのリフォームが行われています。
福祉住環境コーディネーターとして求人募集している企業はあまりありませんが、介護福祉士や建築士が+αとして、取得するケースも多い資格となっています。